◯寺尾 賢君 それでは再質問をさせていただきます。
 まず、政治姿勢についてなんですが、知事は憲法に基づく政治を行うことは当然だ、こういうふうに言いました。しかし、安倍政権のもとで現実に起こっている憲法違反の事実については全く認識していない、こういう答弁だったと思います。沖縄で起こっていることは、紛れもなく民主主義と地方自治の破壊、憲法破壊の暴挙であり、こうした政治を許してよいのかどうかということは、決して沖縄だけの問題ではありません。だからこそ、全国から沖縄への支援の輪が広がり、先日21日には、2万8,000人もの人が辺野古への埋め立て許すなと国会を包囲する状況まで生まれています。こうした県民、国民の声、民意があるからこそ、翁長知事は体を張って政府に立ちはだかっているのでありませんか。知事、そもそも沖縄で起こっていることは憲法と地方自治にかかわる問題だ、こういう認識はありますか。その1点についてのみ、そう思うのかそう思わないのか、ぜひはっきりとお答えください。
 経済の問題では、破綻したアベノミクスに何の反省もないまま、消費税増税と社会保障の切り捨てに暴走する安倍政権の害悪はあらわになっています。しかし、知事はその事実を認めませんでした。社会保障のために消費税増税分が使われるかのように言いましたけれども、10%に引き上げた増収分、13.5兆円のうち7兆円は財政赤字の穴埋めや大企業減税に回されるんです。既に大企業にはさまざまな優遇税制があります。研究開発減税は2014年度だけで6,746億円、その恩恵を受けている9割以上は大企業です。最も大きいのはトヨタ自動車で、1社だけで実に1,000億円以上の減税を受けていることが明らかになっています。こんなことを続けていたら景気も財政も社会保障も総崩れです。GDPの6割を占める個人消費がさらに冷え込むことは明らかです。知事、これでGDP600兆円など実現できると思いますか、お答えいただきたいというふうに思います。
 国立大学運営費交付金の問題も一般的なというか、人ごとのような答弁だったなというふうに思います。しかし、昨年10月に、財務省が財政制度等審議会で運営費交付金を毎年1%減少させ、自己収入を毎年1.6%増加させることが必要、こういう提案を行ったことに対して、千葉大学を含む全国36の国立大学の学長などから声明が発表されて、壊滅的な機能不全に陥るという批判の声が上がっています。大学への寄附金を集めればいい、こういうことも言われますけれども、文部科学大臣でさえ寄附金などの増加は見込めない、こういうふうに言っています。結局授業料を引き上げるしかありません。知事、千葉県の未来を担う学生たちが学ぶ千葉大学の学長までが、こうした反対の声を上げていることを御存じなのでしょうか。こうした大学関係者の危機感をどう受けとめるのかお聞かせください。
 それから、安保法制、戦争法については、南スーダンPKOでの自衛隊の任務拡大、IS軍事作戦への参加という差し迫った危険が明らかになっているもとで改めて見解を伺いましたけれども、やっぱりまともな答えはありませんでした。しかし、自衛隊がこれから赴こうという場所は、とてもそんな悠長なことを言っていられるような状況ではありません。南スーダンではこの2月17日から18日にかけて、国連平和維持軍が設置した文民保護キャンプに南スーダン政府軍が侵入して住民に発砲し、略奪し、テントを放火した上で少なくとも18人が死亡した、こういう報道がされております。まさに泥沼の内戦状態です。国連安保理はこの19日、住民を攻撃した南スーダン政府軍を激しく非難する声明を出しましたけれども、住民保護という名目で自衛隊が武器を使って国連キャンプの警備を行うということになれば、南スーダン政府軍と自衛隊が交戦する可能性すらあります。これは今の安倍政権の理屈でいっても憲法違反です。このまま戦争法が施行されれば、自衛隊員が殺し殺されるような状況になるのは明らかです。南スーダンで罪のない民間人を殺傷し、しかも、日本を守ることとは全く無縁の戦争で自衛隊員が命を落とすことになる。それでも知事は仕方がないと言えるのでしょうか。ぜひ、はっきりとお答えください。
 TPPに関しては、結局対策を行えば大丈夫だ、こういうことであったと思いますけれども、これ自体全く現実を見ていないというふうに言わざるを得ません。影響額についての試算ですけれども、現場は誰も信じていない、この声を真剣に受けとめるべきです。紹介した養豚の話で言えば、TPPによって差額関税が事実上なくなり、高価格帯の豚肉は4.3%の関税が10年で撤廃される。その一方で、安い価格の豚肉は1キロ482円の関税が10年で50円まで下がります。今までは高い豚肉と安い豚肉を組み合わせて購入する、いわゆるコンビネーション輸入で関税を含めて1キロ546円で入ってきた豚肉が、今度は50円の関税を払えば、この安い豚肉単品で幾らでも入ってくることになります。日本養豚協会が具体的に検証しておりますけれども、アメリカ農務省発表の直近の豚肉卸価格から試算をすれば、関税50円を含めても、輸入豚肉の原価はロース、ばらで1キロ440円、もも肉で1キロ260円です。これらが入ってくれば国産豚肉の価格も4割下がる、こういうふうに言っています。こうした検証をもとに日本養豚協会、日本の畜産ネットワークでは、独自に生産減少額は約4,000億円、千葉県に換算すれば285億円もの減少、こういう試算を出しているわけです。そのほかにも、国が影響額ゼロとした米の生産減少額について、これは千葉県もゼロというふうに出していますが、例えば福井県では15億2,000万円、5.4%の減少という試算を独自に出しています。安価な輸入米が流通することで、輸入米と競合する業務用米が輸入米価格まで低下をする。コシヒカリやハナエチゼンなども業務用米の価格低下率の2分の1の割合で価格が低下する。こうした影響が出るということです。TPPによる影響を真剣に考えれば、少なくともこれぐらいの試算になるはずであり、国の試算をうのみにすることなどできないことは明らかです。それでも千葉県の養豚は守られる、また、千葉県のコシヒカリは福井県のお米のようには影響を受けない、こういう保障は一体どこにあるんですか。答弁を求めます。
 さらに深刻なのは、全面的な関税撤廃です。TPPには関税撤廃の除外規定がない、この事実については余りにも楽観的な見通しを示されました。しかし、7年後に再協議が行われて、最終的には全ての品目で関税撤廃を迫られる聖域なき関税撤廃というのがTPPの本質です。再協議を行っても、そこで関税撤廃を拒否すればいい、こういうふうにも言いますけれども、今回の交渉の中でも譲歩に次ぐ譲歩を繰り返した政府にそんな期待ができるわけはありません。そもそも重要5品目は除外する、つまり、関税撤廃に向けての交渉の対象にもしないというのが国会決議の中身ですから、国会決議に違反していることは明らかです。聖域なき関税撤廃が原則であるならばとてもTPPには賛成できない、こういう態度を明らかにすべきではありませんか、お答えください。
 そして強調したいのは、やはり現場の声に耳を傾けることです。この17日に開かれた全国農協青年組織協議会、JA全青協の大会では、TPPについて国会決議の実現とはほど遠く、到底納得できない、こうした特別決議が採択されました。TPPの影響により安価な外国産の農畜産物が大量に輸入されるのは明白、農業経営の基盤を揺るがしかねないと正面から批判しています。知事、これが率直な現場の声ではないですか。知事は県産農産物の輸出拡大ということでトップセールスなどを行っておられますけれども、その足元では農家が廃業の危機に瀕しているんです。この間、行われたTPPに関する生産者との意見交換会にも知事は参加されていないというふうに聞きました。イベントなどでの一般的な懇談ではなくて、知事みずから農家の皆さんの生の声を直接聞き取るべきではありませんか。再度お答えいただきたいというふうに思います。
 それから、若者の雇用についてもお答えいただきましたけれども、違法、無法な実態を示して労働相談センターの拡充や労働法の普及啓発を求めましたけれども、率直に言って、従来の枠を出ない答弁だったというふうに思います。私は今大切なことは、若者に向かってブラック企業やブラックバイトは許さない、法律違反は許さないというメッセージを県がしっかり打ち出すことだというふうに思います。
 神奈川県では2014年の11月、知事と神奈川労働局長、経済団体労働組合が連名で、「若者の使い捨て」撲滅かながわ宣言というものを出しています。ここには何と書いてあるか、一部読み上げたいと思います。「長時間労働を課して残業代を支払わない、パワーハラスメントなどを繰り返し、過酷な労働環境で働かせ続ける、こうした、意図的な「若者の使い捨て」が今、大きな社会問題となっています」、「私たちは一致団結して、「若者の使い捨て」を、この神奈川の地から撲滅し、未来を担う若者たちを応援していきます」、こうしたメッセージを神奈川では知事自身が発しているんです。この宣言の上に神奈川県では、紹介した街頭労働相談に加えて、県独自に作成したパンフレットを使って出張労働講座も行っており、昨年度だけで94回、そのうち高校だけで27回実施をしたそうです。
 改めて伺いますけれども、ブラック企業、ブラックバイトの根絶は緊急に解決が求められている社会的な大問題だという認識はあるのですか、はっきりとお答えいただきたいと思います。
 具体的な取り組みとして労働相談センターについて伺いましたけれども、とても拡充するつもりはなさそうな答弁でした。相談はほかでも行っている、連携を図っていくと、こういうふうに言いますけれども、例えば千葉労働局が行っている総合労働相談の件数、2014年度で4万2,438件と10年前の1.5倍以上にふえて、パワハラに関する相談件数は過去最高を更新し続けています。ところが、県の相談件数は、先ほど約1,600件と言いましたけれども、この10年を見てもほとんど変化ありません。相談を求める人はふえているのに相談窓口が少ないことが一番の問題なのではありませんか。労働相談センターについてこのままの体制でいいと思っているのか、改めてお聞かせください。
 千葉県の労働相談センター事業の予算、2015年度で842万円です。仮にセンターをもう1カ所ふやしたとしても、1,000万円程度でできるということではありませんか。求められている役割を果たそうと思えば、せめてそれぐらいの予算の増額は必要なのではありませんか、お答えください。
 それから、高校統廃合についてもお聞きしたいというふうに思います。今、現実に地域に根を張って頑張っている努力は全く顧みずに、とにかく適正規模、適正配置を振りかざして、上から統廃合を押しつける、こういう県教委の姿勢が明らかになったというふうに思います。ところが、幾ら聞いてもその適正規模の根拠を明らかにできない。都市部では、みずから決めた適正規模に反する事態が恒常的になっているのに、そのことに正面から向き合おうともしません。都市部で適正規模を上回る事態が続いているのは一時的なことかのように言いますけれども、例えば津田沼高校とか柏南高校では4年連続で既に全学年9クラスです。来年度の募集も9クラスですから、5年連続になることはほぼ確実です。そもそも第2学区では平成32年、2020年度まで中学卒業者数はふえ続けていくと、こういう見通しが明らかなわけですから、こんなところで統廃合を押しつけるというのは問題です。教育長、どんなに学ぶ権利が脅かされても我慢しろというふうに言うんですか。遠い将来、生徒数は減るのだからというふうに言いますけれども、そのために今の生徒たちに犠牲を強いるということなのか、このことをはっきりとお答えいただきたいと思います。
 最後に、放射性廃棄物の問題についてお聞きしたいというふうに思います。私は、千葉市の放射性廃棄物の問題については、国と千葉市の間ではなく、住民の側に立つべきだというふうに言いましたけれども、知事からは結局住民の側に立つというのは言われませんでした。
 改めてお伺いしますが、県はこの問題で尊重すべき民意は一体どこにあると考えているのか、これを最後にはっきりとお答えいただきたいと思います。
 以上、再質問といたします。