がんに関するQ&A

がんに罹った患者さんが病気についての「語り」を掲載しているサイトがあると聞きました。病気に向き合っていくため是非、読んでみたいと思うのですか、教えてくれませんか。

がんに罹った患者さんが自らの治療や闘病生活について、ブログやホームページで情報発信をしているサイトはたくさんありますが、各自の体験に基づく発信でその内容等はバラバラであり、疾患別など系統的に分類されているものでもありません。体験談を知りたいと思ってインターネットで検索しても、自分の知りたい情報を得るために、何度も色々な体験談のサイトを開くことになってしまいます。

日本の認定NPO法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」では、「患者の語りに耳を傾けることから患者主体の医療の実現を目指す」ことを目的に、国際組織DIPExInternationalのメンバーになり、標準化された方法で、患者や家族等の語りのデータを収集・分析し、公開しています。

2017年5月現在では、がん関連の語りでは「乳がん」「前立腺がん」「大腸がん検診」が公開されています。それぞれ、年齢や性別、病状が異なる30名以上の体験者の語りを、映像・音声・テキストでみることができます。「乳がん」「前立腺がん」については、英国のDIPExサイトの翻訳版も公開されています。

「患者の語りをデータベースにする」という試みは、英国オックスフォード大学の研究者たちが2001年にDIPEx(Database of Individual Patient Experiences)という研究グループを立ち上げ、開始されました。研究者たちは、データ収集・分析・公開の手法を開発し、その活動が世界的に広がって2013年に1国1組織のメンバーから成る国際組織が発足しました。日本では、2007年に研究者が中心となり「ディペックス・ジャパン:健康と病いの語りデータベース」を発足し、2009年にNPO法人、2013年には認定NPO法人となり、活動を継続しています。

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