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がんの治療法の決定は、どのように行われるのですか。
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がんの治療法の決定は、(1)がんの状態を検査して知ること (2)どの治療法が適応になるか見極めること (3)治療が出来る体の状態であること (4)患者自身が治療を決定する事、の4つの過程を踏みます。
(1)は、内視鏡などでがんの組織の一部を切除したり、超音波で調べながら、がんに針を刺して細胞を取ったりして、どんながんか診断します。つぎに、がんの拡がりや転移のあるなしを、CTやアイソトープ(放射性同位元素)を使った検査などで調べます。
(1)の結果を受けて、(2)の治療方法の適応を見極めるため、治療のガイドラインに沿って判断していきます。このガイドラインでは、手術・放射線治療・抗がん剤治療(化学療法)など、がんの進行度によって治療を決めていきます。ほとんどの場合、医療者はチームで治療を見極める話し合いを持っています。
(3)と(4)に進む段階では、治療法を医師から提案されて治療に耐えられる体かどうかの検査が組まれたり、治療を決めるために担当医との相談は勿論、セカンドオピニオンという第2の医師の意見を求める診療を受けることもできます。治療を決める際には、患者さんひとりひとりの生活の質(QOL=クオリティ・オブ・ライフ)を重視すること、患者さんの価値観が反映されるべきですので、治療によって病気が治る見込みがあるのか、自分の生活がどのように変化するかなど非常に重要な決断をしなければなりません。
このとき、他の患者さんの経験を参考にしたり、がんにまつわる相談を受けられるがん相談支援センターで自分の考えを整理したりすることもできます。
専門家の力を借りながら、患者さん自身が治療を決められるように診療は進められていきます。
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