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足の肉腫で片足の膝から上で切断する手術を受けることになりました。一生、義足生活になるのでしょうか。また社会復帰やスポーツはできますか。
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膝から上で切断=大腿切断となり、手術後は義足が必須となります。仕事の内容にもよりますが、社会復帰は可能であり、種々の障害者スポーツも可能です。しかし、そうなるためには、まずは大腿切断の状態を受けいれ、その状態に慣れ、義足を付けてリハビリを行う必用があります。精神的にも肉体的にも時間が必用ですが、精神的には義足を作って、歩行練習を開始すると落ち着く患者さんが多いです。一方、切断術後精神的に落ち込み続けてしまう患者さんもおります。手術後は大腿切断状態という障害者として生きていくこととなりますが、自分は障害者で足が無いから、あれもできない、これもできない、他人との関わりも楽しくない、などと消極的な生き方となる可能性もあります。一方、義足で最初は歩くのもやっとだったが、慣れてくるとほとんどのことができ、障害者スポーツもやってみたいなという積極的な生き方になれる可能性もあります。術後に自分の状態に向き合い積極的な気持ちになれるかどうかは、患者さんご自身(あなた)が切断術を納得されて受けたかどうかということがポイントとなります。積極的にとまではいいませんが、納得されて自分で選択して受けた切断術であれば、術後の様々の問題を乗り越えることができるはずです。
主治医があなたに切断術を勧める理由は、(無理に)患肢を残す方法(患肢温存術)と比べて、1.患肢温存術では局所再発の可能性が高くなるので、局所再発の可能性の低い切断術のほうがよい。(局所再発すると一般的に治癒率も低下します)。2.患肢温存術を行っても、機能的な(役に立つ)患肢とならず、切断+義足の方が機能がよい。3.患肢温存術では手術の合併症が起こる可能性が高く、その後の治療や生活にも影響するので、術後の合併症が少ない切断術の方がよい。といった理由があげられます。
したがって、あなたが主治医の説明で納得して切断術を受けるのであればよいのですが、納得していないが仕方ないから受けるというとらえ方であれば、再度主治医よりよく説明してもらい、自分なりに理解し、納得して切断術を受ける必用があります。それでも納得できない場合はセカンドオピニオンで他の病院の医師に意見を聞いてみてください。