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腫瘍マーカーとは何ですか。
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がんの中には、そのがんに特徴的な物質を産生するものがあり、「腫瘍マーカー」と呼ばれています。現在、多くの種類の腫瘍マーカーが診療で使われており、例えば、CEA(胃がん、大腸がんなど)、AFP(肝がんなど)、SCC(肺がん、子宮がんなど)、PSA(前立腺がん)などがあります。
がん診療において、腫瘍マーカーは、がんの手術後に再発がないかの経過観察や、進行がんの抗がん剤治療の効果判定などに使われます。腫瘍マーカーの有用性はがん種類によって異なり、再発の診断や治療効果の判定は、腫瘍マーカー検査のみならず、血液検査、画像検査、身体所見などから総合的に行います。
腫瘍マーカーはがん検診や人間ドックの検査項目になっていることもあります。腫瘍マーカーが異常値であったとしても、必ずしもがんであるとは限らず、精密検査が必要です。一方、がんであっても腫瘍マーカーが異常値にならない場合もあります。したがって、がん検診や人間ドックにおける腫瘍マーカー検査は、がんの疑いがあるかを調べることが目的であり、がんの診断には精密検査が必要になります。