その他

千葉県のがんの現状について

急速に進む千葉県の人口の高齢化

千葉県では、高齢化率が上昇を続け、平成37年には30.0%、平成47年には33.5%と約3人に1人が65歳以上となり、平成47年には本県の高齢化率が初めて全国平均を上回ると見込まれています。

また、平成27年から平成37年までの65歳以上の高齢者人口の増加率は全国第5位、75歳以上の後期高齢者人口の増加率は全国第1位となることが見込まれています。

人口の推移及び将来推計(千葉県)
人口の推移及び将来推計(千葉県)
  • 平成27年以前は国勢調査(総務省)による実績値、平成32年~平成52年は日本の地域別将来推計人口(国立社会保障・人口問題研究所)による推計値(平成25年3月推計)
     ※高齢化率は、年齢不詳を除く総人口に占める割合、四捨五入のため合計は必ずしも一致しない

高齢化に伴い増加するがん死亡数、罹患数

(1)がんによる死亡状況

本県の死因別死亡割合は脳血管疾患が第1位でしたが、昭和57年からは、がんが第1位となっています。

主な死因の死亡率(人口10万対)の年次推移
主な死因の死亡率(人口10万対)の年次推移
  • 平成28年人口動態統計(厚生労働省)
死因別死亡割合・対全国比較
(%)
  悪性新生物 心疾患 肺炎 脳血管疾患 自殺
千葉県 29.8 17.1 9.7 8.1 1.8
全国 28.5 15.1 9.1 8.4 1.6
  • 平成28年人口動態統計(厚生労働省)
千葉県のがんによる死亡者数の年次推移
千葉県のがんによる死亡者数の年次推移
  • 人口動態統計(厚生労働省)

千葉県のがんによる死亡者数は、平成9年に1万人を超え、平成28年には  16,798人で、全死亡者数に占める割合は29.8%となっています。

(2)年齢別の死亡状況

がんは、40歳から89歳までの年齢で死因の第1位となっており、特に、50歳から死亡率は急激に増え始め、増加をし続けています。

年齢階級別死因別死亡割合
年齢階級別死因別死亡割合
  • 平成28年人口動態統計(厚生労働省)
がんによる性別年齢別死亡率(人口10万対)
がんによる性別年齢別死亡率(人口10万対)
  • 平成25年千葉県がん登録事業報告(千葉県)
(3)がんによる75歳未満年齢調整死亡率

75歳未満の年齢調整死亡率は、平成18年の数値と比較して平成28年では男性17.7%減、女性13.4%減、全体で16.3%減となっており、男性は順調に減少している一方、女性は更なる減少が必要な状況です。

75歳未満年齢調整死亡率(人口10万対)
75歳未満年齢調整死亡率(人口10万対)
  • 都道府県別死亡データ(国立がん研究センターがん対策情報センター)
主ながんの75歳未満年齢調整死亡率(人口10万対)
主ながんの75歳未満年齢調整死亡率(人口10万対) 男性
主ながんの75歳未満年齢調整死亡率(人口10万対) 女性
  • 都道府県別死亡データ(国立がん研究センターがん対策情報センター)
(4)がんの罹患状況

平成25年には、年間34,500人(男性20,290人、女性14,210人)のがん患者が発生しています(平成25年千葉県がん登録事業報告)。

主ながんの年齢調整罹患率をみると、男性は胃がんが最も高く、大腸がん、肺がんと続きます。女性は乳がんが最も高く、大腸がん、子宮がんと続きます。

主ながんの年齢調整罹患率(人口10万対)の年次推移
主ながんの年齢調整罹患率(人口10万対)の年次推移 男性
主ながんの年齢調整罹患率(人口10万対)の年次推移 女性
  • 平成25年千葉県がん登録事業報告(千葉県)

年齢別にみると、男女全体で65歳以上が約70%を占めています。男性のがんは50歳以上で罹患率が高くなっています。特に、肺がんや前立腺がんは55歳以上から急激に高くなっています。女性は、乳がんが30歳以上から増え始め、子宮頸がんは20歳以上で急増し、30歳代で最高になっていますが、上皮内がんが多いです。一方、子宮体がんは、40歳以上から急増しています。

主な部位別性別年齢別罹患率(人口10万対)
主な部位別性別年齢別罹患率(全部位)
主な部位別性別年齢別罹患率(胃)
主な部位別性別年齢別罹患率(肝臓)主な部位別性別年齢別罹患率(大腸)
主な部位別性別年齢別罹患率(肺)
主な部位別性別年齢別罹患率(前立腺・卵巣)主な部位別性別年齢別罹患率(乳房)
主な部位別性別年齢別罹患率(子宮頚部)
  • 平成25年千葉県がん登録事業報告(千葉県)

二次保健医療圏別の罹患率をみると、香取海匝医療圏では男性の胃がん、君津医療圏では男性の大腸がん、山武長生夷隅医療圏では男性の肝臓がん、安房医療圏では男性の肺がん、女性の胃がん、大腸がん、肺がん、印旛医療圏では前立腺がん、市原医療圏では女性の肝臓がん、乳がん、子宮がんがそれぞれ高くなっています。

二次保健医療圏別年齢調整罹患率(人口10万対)
二次保健医療圏別年齢調整罹患率(人口10万対) 男性
二次保健医療圏別年齢調整罹患率(人口10万対) 女性
  • 平成25年千葉県がん登録事業報告(千葉県)

千葉県の医療資源(人材及び施設)

千葉県では、人口10万人あたりの医師数・看護職数、医療資源(施設)が全国の中でも相対的に少ない中で、現場の医療者の努力により、県の医療を支えてきました。

千葉県の医療資源(人材)・対全国比較(人口10万対)
千葉県の医療資源(人材)・対全国比較(人口10万対)
  • 平成28年医師・歯科医師・薬剤師調査(厚生労働省)、平成28年度衛生行政報告例(厚生労働省)
千葉県の医療資源(施設)・対全国比較(人口10万対)
千葉県の医療資源(施設)・対全国比較(人口10万対)
  • 平成28年医療施設調査(厚生労働省)、平成28年度衛生行政報告例(厚生労働省)、人口推計(総務省)
千葉県の在宅医療資源(施設)・対全国比較(人口10万対)
千葉県の在宅医療資源(施設)・対全国比較(人口10万対)
  • 平成26年医療施設調査(厚生労働省)、平成28年介護サービス施設・事業所調査(厚生労働省)、各厚生局資料(平成29年7月1日現在)、住民基本台帳人口、人口推計(総務省)

参考

千葉県のがん治療専門医等数・対全国比較
  人数 人口10万人当たり 全国順位
がん治療認定医数 579 94.3人 39位
がん薬物療法専門医 44 7.2人 29位
がん看護の専門看護師 30 4.9人 32位
緩和ケアの認定看護師 75 12.2人 41位
がん性疼痛看護の認定看護師 34 5.5人 19位
訪問看護の認定看護師 22 3.6人 21位
  • 都道府県別認定医数(日本がん治療認定医機構)、がん薬物療法専門医名簿(日本臨床腫瘍学会)、専門看護師等分野別都道府県別登録者数(日本看護協会)、人口動態統計(厚生労働省)
    ※がん治療認定医数は平成29年4月1日現在、その他は平成30年1月30日現在の人数

 

このページの先頭へ