生活を支える情報

子ども・AYA世代の療養生活情報

  • ※AYA世代とは、主に15歳から39歳にかけての人達の世代を言います。AYAとは Adolescent and Young Adultの略で「思春期および若い成人」という意味です。

入院中の教育支援、復学支援

がん診療連携拠点病院と一部医療機関には、病気やけがで長期の入院を必要とする小・中・高校生が、入院治療中でも安心して学校教育が受けられるよう、訪問教育や院内学級における指導が行われており、小中学校では、通級による指導を行っている学校や病弱・身体虚弱特別支援学級を開設している学校もあります。入院中にこれらの教育を受ける場合は、在籍校と連絡を取ります。

私立学校に通う小中学生の場合や、高校生・大学生が入院した場合には、治療を受けながら学習を継続するシステムは学校ごとに異なります。在籍校の状況について、担任の先生や学生相談室の教職員に相談しましょう。

治療の影響で外見が変わったことや、長期間入院したことで、自分を受け入れてくれるかどうかという不安を抱くことがあります。入院時からクラスメイトや教職員と連絡を取っておくと安心できます。

入院治療が終了する目途がたったら、学校に戻る準備を始めましょう。どのような情報を学校に伝えればいいのか、入院中の担当教師や医師に相談すると良いかもしれません。

患者さんの兄弟姉妹への支援

子どもが入院すると、親が長く病院に付き添い、病気の子どもに関心が集まることで、その兄弟姉妹は何かと我慢を強いられ、さみしい思いをします。兄弟姉妹と可能な範囲で対話することが大切です。また、担任教師や保育士などとも連絡をとり、支援を依頼しましょう。

その際には、兄弟姉妹に病名や治療の内容などを、どのような言葉でどこまで話しているかを伝えましょう。

退院後および小児・AYA世代に関する相談窓口

小児がんでは、治療が終了してからも長期フォローアップ(経過観察)が必要で、晩期合併症の早期発見とその管理が主な目的です。

AYA世代では進学、就職、結婚などに関する心理面の支援も必要になることが多いと言われています。

まずは、治療を受けた病院の担当医や相談支援センターに相談し、診察の際に様々な問題や悩みについてアドバイスを受けましょう。

晩期合併症について

がん治療後に、がんそのものからの影響や、薬物療法・放射線治療などの影響で合併症が起こることがあります。それを、晩期合併症といいます。

晩期合併症は疾患と受けた治療内容によって、発症する合併症の内容とリスクが異なるので、小児がんの治療を受けた病院で自分の治療内容と注意するべきことを確認してみてください。

子どもがセルフケア(自己管理)能力を獲得することはとても大切なことです。起こり得る晩期合併症を知ることは、自分のからだを知り、規則正しい生活習慣を獲得することの動機になります

晩期合併症に関連する代表的な症状

晩期合併症に関する代表的な症状

長期フォローアップ(経過観察)について

小児がん治療終了後も、抗がん剤治療・手術後による晩期合併症を、定期的な診察と検査を受けることで、早期に発見できれば適切な対応をとることができます。

病気や治療内容によって最適な受診の間隔が異なりますので、治療を受けた病院の医師に相談しましょう。

長期フォローアップの目的は、ヘルスリテラシーの力(健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する力)を高め、晩期合併症のリスクが高い患者さんが、その早期発見と適切な対応・管理を受けることです。

引っ越しをする時には主治医に相談し、長期フォローアップの受診が可能な引っ越し先の病院を紹介してもらいましょう。

妊孕性(にんようせい)(妊娠する力・させる力)の温存(保存)について

がんの治療の進歩によって、多くの患者さんが、がんを克服できるようになっています。 しかし、治療の内容によっては、妊孕性(妊娠する力・させる力)が低下したり、失われたりすることがあります。

近年では、将来自分の子どもを持つ可能性を残すために、卵巣組織や精子、受精卵、未受精卵を凍結保存する、妊孕性温存療法が行われています。

  • □がんと診断された
  • □将来子どもが欲しい
  • □45歳以下(公的助成は年齢上限42歳まで、年齢下限なし)

この3つに当てはまる方は、がんの治療の見通しと共に、妊孕性温存を検討した方がよいか、がん治療の医師に相談をしてみてください。

がん・生殖医療専門医師の話を聞きたい場合は、妊孕性温存を行う医療機関で診察を受けることができます。その場合も、妊孕性温存療法に時間をかけることが、がんの治療計画に大きな影響を及ぼすことがないよう、スケジュールをがん治療の医師とよく相談しましょう。

千葉県では、凍結保存等に係る妊孕性温存療法の費用助成を実施しています。詳細はホームページをご覧ください。

就職活動をするとき

就職活動をするとき、病気についてどこまで伝えるべきなのか多くの人が迷います。

また、治療や手術の影響により日常的に支障がある場合には、どのような仕事を選ぶのがよいのか迷うことがあるかもしれません。

同じ経験をした仲間の経験を聞いてみるために交流会や患者会に参加してみてもよいかもしれません。

 

子どもを一時的に預けたいとき

急な通院や入院の付き添い、保護者の方の疾病・仕事・育児疲れなどにより兄弟姉妹の預け先について困ったり、一時的に家庭での育児が難しくなることがあるかもしれません。

  • ※小児がん治療中のお子さんについては、専門的な看護が必要な場合は利用できません。各制度はお住いの市町村によって未実施のものや、支給条件等がありますので、事前に必ず市町村の担当課にご相談ください。
一時預かり

子どもの保育が難しい時や育児の負担をリフレッシュしたい時に、乳児または幼児を保育所などにおいて、子どもを一時的に預けることができます。

子どもショートステイ

家庭での育児が困難な時に、子どもを一時的に預けることができます。宿泊利用可能な施設もあり、利用期間中は、施設で食事や生活 援助を受けることができます。

ファミリー・サポート・センター

地域で育児をサポートする有償ボランティア組織です。地域において、育児の手助けをしてほしい人と、育児の手助けを行いたい人が会員登録します。子どもを預かってほしい、保育所の送迎をして欲しいなど、困った時に利用できます。

 

子ども向けの制度

小児慢性特定疾病医療費助成制度

がんを含む小児慢性特定疾病の治療にかかった費用のうち、世帯の住民税額に応じて支払う自己負担金額を超えた部分を助成する制度です。対象となるか、かかりつけの医師に相談しましょう。

問合せ先:各健康福祉保健センター(保健所)
 千葉市・船橋市・柏市は各市の窓口

子ども医療費助成制度

子どもの保健対策を充実し、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、子どもが病気や怪我などにより受診した場合の医療費を県と市町村で助成する制度です。医療保険の適用となる医療費が助成対象となります。助成対象となる年齢(学年)や窓口における自己負担金、所得制限の有無などは、実施主体である市町村によって異なります。

問合せ先:各市町村の子ども医療費担当課

特別児童扶養手当

一定の障害の状態にある20歳未満の児童を養育する父または母、もしくは実際の養育者に対する手当です。所得制限があります。

問合せ先:各市町村の障害福祉担当課

障害児福祉手当

重度の障害を持つため日常生活に常時介護を必要とする20歳未満の児童に対する手当です。所得制限があります。

問合せ先:各市町村の障害福祉担当課

予防接種の再接種助成

骨髄移植を行った場合、移植前に接種した定期予防接種の免疫が低下もしくは消失する可能性があるため、医師から、任意で再度必要な予防接種の受け直しを奨励されることがあります。再接種の費用は全額自己負担となり、経済的負担が大きくなります。

お住いの市町村によっては、経済的負担の軽減、疾病予防のため、再接種費用の助成を行っています。

助成実施の有無、費用助成の対象となる予防接種および接種の条件年齢は、実施主体である市町村によって異なります。

問合せ先:各市町村の予防接種担当課

 

仲間をさがす

千葉県には、小児がんの患者会「NPO法人ミルフィーユ小児がんフロンティアーズ」があります。

患者さん・ご家族の支援活動と小児がんに対する社会の正しい理解を求める啓発活動を行っています。

NPO法人 ミルフィーユ 小児がんフロンティアーズ
小児がんの
全疾患
・支えあい
・情報交換と仲間づくり
・ボランティア活動 等
TEL/FAX:043-278-9036
eメール
ホームページ

千葉県では研修会や交流会を企画しています。千葉県のホームページ等で確認していください。

小児がんの子を持つ保護者の方同士や同病の方との関わりの中で、小児がんピア・サポーター活動に参加したいと思う方がいるかもしれません。小児がんピアサポート推進協議会で、「小児がんピア・サポーター養成研修会」を実施しています。

 

情報サイト

患者さん・ご家族が見ると役に立つ情報を得ることができる可能性があります。

 

このページの先頭へ