Vol.2人工肛門を造設した後の日常生活の工夫
70代 男性 大腸がん
私は55歳のとき大腸癌でストーマ(人工肛門)造設手術を受けましたが、その後無事に過ごしております。
当時特に自覚症状はありませんでしたが、市の広報紙で大腸がん検診の案内を見て念のため便潜血検査を受けてみました。精密検査の結果は悪性腫瘍で、手術ということになりました。しかし幸いに転移はありませんでした。がんは誰にでも出来る可能性があるわけですが、早く見つけることが重要だと思います。人工肛門と聞いてショックを受ける人も多いのですが、命のほうが大事と思い手術を受けました。
たしかに生活は多少不便になりますが、工夫と気の持ちようでそれほど心配することはありません。私は老齢化し万一排便の世話をしてもらうようになっても、便の始末は肛門のある人よりやり易いのではないかと気楽に考えています。便を貯める装具がどんどん改良されているので、便が漏れて臭いなどというトラブルは殆どなくなりました。入浴用の肌色の目立たない袋もあるので温泉にも入れます。
手術をした時はまだ会社勤めの最中でしたので、抗がん剤を服用しながらも以前より一生懸命働きました。おかげで病気に対する差別はありませんでした。ただ手術後2年くらいは便の排泄が安定せず、突然腹部に貼りつけた蓄便袋が一杯になることがありました。当時オストメイト用のトイレが少なかったので、通勤途中の大便所の空いてる駅をチェックして、早めに排泄する苦労はありました。
私は70歳まで仕事をしていましたが、退職してから何か社会のためになることをしたいと考え、人工肛門の会のオストミー協会に入会し、同病の方の悩みを聴くボランティア活動を始めました。その会の推薦があって千葉県のがんピアサポーターに採用され、がん患者やその家族の方とお話をするようになりました。ここではいろいろながんのことを勉強することができますし、悩みを分かち合うことで少しでもお役に立てたらと自分の生きがいにもなっています。
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- Vol.2 人工肛門を造設した後の日常生活の工夫
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- Vol.22 自分のがん体験と家族の緩和ケア体験での感じ方の違い
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