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Vol.23 「話せる場がある」ということ~家族・遺族となってみて~

60代 女性 卵巣がん・膵臓がん(遺族)

2013年に夫が膵臓がんを発症し、3年後には看取りをすることになるとは、胃と卵巣との2つのがん体験をした私にとっても「まさか」と思うことの連続でした。けれども「ここで倒れるわけにはいかない」と経過観察中の私がうろたえることなく振る舞っていられたのは、手術、抗がん剤治療、副作用、後遺症といった自分の体験があったからです。

しかし、更に2017年に実兄までもが同じく膵臓がんと判明し9か月後に見送ることになってしまい、ずーっと応援してくれていた2人の方が先に逝ってしまうなんて…。「順番が違う」とその理不尽さを恨みました。そのうえ、2018年には実妹が子宮体がん肉腫で術後43日目にして先立ちました。

気の安まらぬ日々は5年ほど続いていました。そんな時、サロンで出会ったピア・サポーターや世話人の方に、他では話すことのなかった本音を徐々に口にするようになりました。ただただ聞いてもらっているだけなのに…なぜか気持ちが通じている、わかってもらえていると実感でき、心がほっとするのです。

そのうちに、新たな想いが湧いてくるようになりました。次の一歩が踏みだせている自分に気づいたのもサロンに参加したおかげだと思っています。

 

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