Vol.23 「話せる場がある」ということ~家族・遺族となってみて~
60代 女性 卵巣がん・膵臓がん(遺族)
2013年に夫が膵臓がんを発症し、3年後には看取りをすることになるとは、胃と卵巣との2つのがん体験をした私にとっても「まさか」と思うことの連続でした。けれども「ここで倒れるわけにはいかない」と経過観察中の私がうろたえることなく振る舞っていられたのは、手術、抗がん剤治療、副作用、後遺症といった自分の体験があったからです。
しかし、更に2017年に実兄までもが同じく膵臓がんと判明し9か月後に見送ることになってしまい、ずーっと応援してくれていた2人の方が先に逝ってしまうなんて…。「順番が違う」とその理不尽さを恨みました。そのうえ、2018年には実妹が子宮体がん肉腫で術後43日目にして先立ちました。
気の安まらぬ日々は5年ほど続いていました。そんな時、サロンで出会ったピア・サポーターや世話人の方に、他では話すことのなかった本音を徐々に口にするようになりました。ただただ聞いてもらっているだけなのに…なぜか気持ちが通じている、わかってもらえていると実感でき、心がほっとするのです。
そのうちに、新たな想いが湧いてくるようになりました。次の一歩が踏みだせている自分に気づいたのもサロンに参加したおかげだと思っています。
- がん患者サロン
- 千葉県がんピア・サポーター
- 県内の主ながん患者会
- ご遺族へのサポート
- 患者等の体験談
- Vol.1 がんと出会って学んだこと
- Vol.2 人工肛門を造設した後の日常生活の工夫
- Vol.3 再発を繰り返しながらも、充実した日々を過ごしています
- Vol.4 声を失い、再び発声できるまで。そしてこれから。
- Vol.5 がんと私 ~がんのつらさを和らげる~
- Vol.6 正しい知識は人生を変える
- Vol.7 がんになり感じること
- Vol.8 妊娠中・出産後の乳がん治療を支えたもの
- Vol.9 ひとりじゃないよ!みんなそばにいるよ!
- Vol.10 乳がん体験記 ~揺れた心を落ち着かせたこと~
- Vol.11 今も病気と共存して生きる
- Vol.12 がんを体験して
- Vol.13 がんの仲間との出会いで扉が開いた
- Vol.14 がんと上手に付き合っていけたら
- Vol.15 わかってもらえる喜び
- Vol.16 キャンサーギフト(がんになって得たもの)は多くの仲間と貴重な出会い
- Vol.17 早期治療の大切さ
- Vol.18 私のストーマ体験
- Vol.19 感謝の気持ちを忘れずに、希望と勇気を持って一歩一歩前進しましょう
- Vol.20 セカンドオピニオンで納得して治療をスタート
- Vol.21 ストーマと共に暮らす
- Vol.22 自分のがん体験と家族の緩和ケア体験での感じ方の違い
- Vol.23 「話せる場がある」ということ~家族・遺族となってみて~
- Vol.24 オストメイト(人工肛門)25年です
- Vol.25 患者サロン・ピアサポーターズサロンへいらしてください
- Vol.26 がんと私